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【ゴーン・ガール】原題:"Gone girl" クラス開講日:2015/5/1 ①


この日のクラスで取り上げられたのは、映画の冒頭から約4分間のシークエンス(一連の場面)でした。今回は最初の20秒をご紹介します。 ニックが妻の髪をなでています。そこにニックの独白が重なります。 --------------------------------------- Nick Dunne: When I think of my wife, I always think of her head. I picture cracking her lovely skull, unspooling her brains, trying to get answers. The primal questions of any marriage: What are you thinking? How are you feeling? What have we done to each other? 「妻のことを考えるとき」「いつもその頭を思う」「愛らしい頭蓋骨を開いて」「頭脳を解きほぐし」「答えを知りたい」「結婚の基本的な問い:“何を考えている?” “どう感じている?”“僕たちは どうしたんだ?”

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I picture cracking her lovely skullのpicture は[どんな風に見えるかを想像する]を意味する動詞です。crack は、身体の部位でよく使うのは頭だとBrianさんが解説してくれました。うすい表面にひびが入る→それが元で壊れるというのが基本的なイメージで、卵を割るときもcrackを使うそうです。 unspoolは、ぐるぐるに巻きになっている長いものを伸ばす(stretching out)イメージで、spool(糸を糸巻に巻きつけること)の反対語です。「エイミーの頭脳を解きほぐし(unspool)答えを知りたい」これは、つまり“He doesn’t know who his wife is.”を意味するとBrianさんは解説してくれました。 The primal questions of any marriageのprimalはbasicを意味し、字幕でも[結婚の基本的な問いかけ]と訳されていました。 “何を考えている?” “どう感じている?”“僕たちは どうしたんだ?”という問いかけが、その後、映画の中で起こることを示唆しています。とても印象的な場面だと思いますが、みなさんは、どんな風に感じられたでしょうか?

★今日の表現:I picture ~ing(~しているところを想像する)

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“GONE GIRL”のタイトル表示の後、アメリカ中西部ミズーリの街ノースカルタゴ(North Carthage)、早朝の風景が続きます。居住区に迷いこんだシカやアライグマ、茂った雑草、暗い路地、空家、廃屋などが映し出されます。 ごみ出しを終えたばかりのニックが自宅前に佇んでいます。不穏なサンドトラックの背後で庭の芝生に水を撒くスプリンクラーの音がかすかに聞こえます。

--------------------------------------- 講師Brianさんによれば、それはアメリカ居住区特有の音であり、日本ではあまり聞くことのできない音だとコメントしていました。 画面のニックにはどことなく、祭りの後のような、空虚な表情を見て取ることができます。 画面左に[July 5th - the morning of] (「7月5日 その日の朝」)の文字が現れます。 つまり独立記念日(各地で人々が盛大に祝う日)の翌日にあたります。

(つづく)

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