前回の続きです。 ニックは部屋を見回し、頭のよさそうな男を指さします。 -------------------------------------------------- Nick Dunne: I don't see you sitting quietly while he bloviates on his postgrad thesis about Proust. 「あいつじゃ、ないよな」「プルーストをテーマにした修士論文を延々と語りそうだ」 ニックは別の男を指します。 Nick Dunne: Uh-oh. Is that him? Ironic hipster, so self-aware, he makes everything a joke. 「えーっと、あの彼か? なんでも笑い飛ばす自意識過剰で皮肉屋のヒップスター」 Amy Dunne: I prefer men who are funny, not "funny." 「わざとらしくない人が好き」 -------------------------------------------------- ・bloviate:とうとうとおおげさに話す。[To talk on and on in a snobbish way]とBrianさんは解説してくれました。 ・postgrad:〔大学を卒業した〕大学院生、研究生の意味。 ・thesis: 〔卒業や学位取得のために書く〕論文 ・Proust:マルセル・プルースト フランスの作家 代表作『失われた時を求めて』英題“remembrance of things past”。Brianさんの解説によるとこの小説のbasic ideaは“The moment simple thing becomes much bigger”(ささいなきっかけによって、何かが鮮やかによみがえること)だと解説してくれました。例としてあげていたのが、先の『ゴーン・ガール』シーン2でふれた「スプリンクラーの音」です。その音を聞いたとき、アメリカで生活していたころの感覚が呼び起されたそうです。 エイミーのセリフI prefer men who are funny, not "funny."はどういう意味でしょうか? funnyと"funny"で言い方を変えているところに注意してご覧になってください。吹き替えでは「楽しい人が好きかな イタい人より」となっています。Brianさんによると最初のfunnyは「おもしろい」「楽しい」で、引用符付の"funny"はstrangeやweirdの意味だそうです。だから「おかしい人が好きかな、おかしな人より」といえるかもしれませんね。