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【ゴーン・ガール】原題“Gone girl”クラス開講日:2015/5/15 ⑫


第2回目のクラスで取り上げられたのは、物語が意外な方向へ大きく転換する場面でした。 ※ネタバレ注意:結末に関する内容を含みます。 今回ご紹介するシーンでは、エイミー側から見た、ある「事実」が語られます。そして「なぜ」そうしたのか? エイミーの動機が明らかになります。セリフはエイミーによるモノローグ(独白)のみです。それでは、スクリプトと対訳をみていきましょう。 --------------------------------------------- I’m so much happier now that I’m dead. 「私は“死んだ” 前より ずっと幸せ」

Technically, “missing.” 「正確には “失踪”だけど」

Soon to be presumed dead. 「すぐに死亡扱いになる」

Gone. 「私は死ぬ」

And my lazy, lying, cheating, oblivious husband will go to prison for my murder. 「怠け者で ウソつきで 浮気者で 無関心な夫は 私を殺した罪で監獄へ行く」

Nick Dunne took my pride and my dignity and my hope and my money. 「ニック・ダンは私の誇りと威厳と希望とお金を奪った」

He took and took from me until I no longer existed. 「私の存在がなくなるまで奪いつくした」

That’s murder. 「それは“人殺し”と同じ」

Let the punishment fit the crime. 「それにふさわしい“罰”を与えよう」 --------------------------------------------- I’m so much happier now that I’m dead.: “I can be myself”自分自身でいられるわ! というエイミーの気持ちを表しているとBrianさんが解説してくれました。 Technically, “missing.”:警察はエイミーが殺されたと思っているが、死体不在のため「行方不明」と発表されていることについて言っています(自分が殺人の被害者に見えるように警察をミスリードしたのはエイミー本人なので、当然死体が発見されることはありません)。 presumed:[推定される]  クラスでBrianさんがコメントしていた“Presumed Innocent”は「推定無罪」というハリソン・フォード主演の映画(良い作品です!)ですが、その意味は“You are innocent until the police prove you are guilty.”(有罪と宣告されるまでは無罪と推定される。刑事裁判においては、証拠があいまいな場合、被告対して有利に認定されること)だと説明してくれました。日本語でいうところの「疑わしきは被告の有利になる」(いわゆる「疑わしきは罰せず」)でしょうか。 cheating:[だます、欺く、浮気をしている]  ここではニックとアンディ(女子大生)との不倫関係を指しています。 oblivious:[無関心な:周りで何が起こっているか気に留めない] dignity:[尊厳、品位、品格] money:エイミーを主人公にして両親が書いた絵本『アメージング・エイミー』シリーズで得た財産のことを指しています。 no longer:[もはや~でない] Let the punishment fit the crime.:the crime[ニックの罪]にはfit[それ相当の] the punishment[刑罰を]つまり、ミズーリ州の極刑は死刑であることをほのめかしています。 エイミーによればニックの犯した罪は、エイミーを精神的に無の存在にしたこと。エイミーが謳歌したニューヨークでの生活は、ミズーリに来たことで終わりを告げました。これは、彼女にとって「死」を意味する。“I was no longer an intelligent New Yorker, So Nick deserved to die.” [ニックのせいで私はもはや知的なニューヨーカーではなくなった。よって、ニックは私の罠に落ちて死刑になる。当然の報いとして…]というのがエイミーの考えだとBrianさんは解説してくれました。 狂っていますね。自らを“Gone Girl”[行方不明の女]に見せかけたエイミーの正体は“Gone Girl”[イっちゃってる(クレイジーな)女]だったという、タイトルに隠されたもう一つの意味が突然明らかになる重要な場面でした。 みなさんは、どうご覧になりましたか?

--------------------------------------------- ★今日の表現:Technically(表向きはね、一応ね)

--------------------------------------------- 今回のシーンでエイミーが言っているTechnicallyは「正確に言えば」という意味ですが、日常会話では「表向きはね」とか「一応ね」という辞書にはあまり載っていない方の意味でよく使われます。 例えば、こんな会話で… “Do you work for that company?” 「あの会社で働いているの?」

“Technically, Yes. But the truth is I have only a one-year contract.” 「一応ね。でも、実際のところ1年契約なんだよ」 …じゃあ良い仕事を紹介しましょう、なんて話につながると最高ですね!

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