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【小さな恋のメロディ】原題“Melody”クラス開講日:2015/6/5 ①


「小さな恋のメロディ」(原題“Melody”)は1971年のイギリス映画です。英国とアメリカでは興業的成功を得られませんでしたが、日本では大ヒットしました。CINEMA ENGLISHの昭和世代メンバーから「懐かしい!」といった感想が寄せられました。初めて見たという20代のメンバーからは「おもしろい」「今一つピンとこない」という両方の意見がありました。

今回取り上げられたのは、ダニエルがメロディの家に招かれる場面です。英国の労働者階級の生活感が色濃く表れていると思います。初対面の挨拶や歓迎の言葉など使える表現も多いですので、ぜひ参考にしてみてください。使われている語彙は難しくないですが、英国の発音に慣れていない場合、リスニングの難易度は高いと思われます。それでは、スクリプトと対訳をみていきましょう。

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Melody:He's come to tea. His name's Daniel. メロディ:「夕食に呼んだの」「ダニエルよ」

Melody’s mother:Pleased to meet you, Daniel. I suppose I've got enough tea. I've got extra because your Dad's home. He's out on bail. メロディの母:「初めまして、ダニエル」「(食べ物は)足りると思うわ」「パパの分にと思って、余裕をもって買っておいたの」「保釈で帰っているのよ」

Melody:I'll take your satchel for you. メロディ:「カバンをあずかるわ」

Daniel:Oh, thanks. Here. ダニエル:「ありがとう」「じゃ、これ」と言ってダニエルはカバンを差し出す。

Melody:Thank you. メロディ:「ありがとう」と言ってダニエルのカバンをあずかって、フックにかける。

Melody’s farther:Hello, Melody, love. How have you been? メロディの父:「やあ、メロディ」「元気だったかい?」

Melody:All right, thank you. メロディ:「元気よ」

Melody’s farther:Who is this? 父:「その子は?」

Melody’s mother:This is a little mate from school, aren't you, Daniel. Well, you comin’ in then, love? Come on, up to the table. It's not simple, is it? 母:「学校のお友達だよね、ダニエル?」「入りなさい」と言ってダニエルを招き入れる。「ほら、テーブルについて」それからメロディに向かって「足りなくない?」

Melody:No. メロディ:「うん」

Melody’s grandmother:Nice bit of ham, Flo. メロディの祖母:「いいハムよ、フロー(母の名前:フローレンスの愛称)」

Melody’s mother:Not bad, is it? 母:「わるくないでしょ?」

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He's come to tea.:映画の字幕では「彼がお茶に」となっていますが、夕食のことです。イギリスの特に労働者階級の家庭では夕食のことを“tea”と呼びます。

on bail: “bail”は「保釈金」 on bailで「保釈中」

satchel:サッチェルバッグ。長いストラップが付いている革製の四角い肩掛けカバンで、ここではダニエルの通学カバンのことです。

Hello, Melody, love.:最後の“love”は親愛を表す呼びかけで“dear”と同じ意味です。イギリスのスラングで、特に年配の人が女性に対して使うことが多いみたいです。

Come on, up to the table.:この“up to the table”は、椅子をテーブルの方に近づける動作をさすとBrianさんが解説してくれました。逆に後ろに引くときは“back from the table”と言うそうです。

How have you been?:「元気してた?」久しぶりに会ったねと言うニュアンスです。

It's not simple, is it?:ここでいう“simple”は“basic”“plain”を意味します。ダニエルのことを一目見て、中産階級の家庭で育っているということを母親は感じたのかもしれません。そんなお友達に出す夕食として決して「質素すぎる食事じゃないわよね?」というニュアンスで娘のメロディにたずねています。これに対してメロディの返事“No”は「そんなこと全然ないよ」という同意の意味です。ちなみに筆者は、この感じがうまくつかめなくて苦労した経験があります。例えば、こんな会話で…

“You don't like spicy food, do you? ”「辛いもの好きじゃないでしょ?」

“Yes”(※筆者は「そのとおり、好きじゃないんだ」と言ったつもり。でも、この答えは「好きだよ」の意味。)

“You like spicy food? ”「好きなんだ?」

“No!”「好きじゃないよ!」

“Which?!”「どっちやねん!?」

…みたいな。 みなさんは、こんな経験ありませんか?

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★今日の表現:How have you been?(元気してた?)

How are you? の代わりに久しぶりに会った外国の友人・知人に使ってみてはいかがでしょうか? 逆に訊ねられたらメロディのようにAll right, thank you.と答えるのもいいかもしれませんね。

--------------------------------------------------- つづく

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