top of page

【バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)】原題: Birdman or The Unexpected Virtue of Ignorance)② クラス開講日:2015/10/16


----------------------------------------------

★今日の表現: Pave the way for〜 (〜の道を開く/築く、〜の地固めをする、〜の下地を作る)

----------------------------------------------

かつて「バードマン」というヒーロー映画の人気俳優だったリーガン(マイケル・キートン)が再起を賭けて臨むブロードウェイ舞台公演。その前夜、リーガンはバーで著名な女性批評家と遭遇します。彼女はリーガンを「俳優」ではなくただの「有名人」とさげすみ、酷評によって芝居を打ち切りにしてみせるとリーガンに宣告します。

泥酔したリーガンは翌朝、路上で目覚めます。そこに"Birdman"が現れ、リーガンの後をついて歩きます。そして耳元で甘言をささやきます。Birdmanはリーガンの心に迷いが生じると必ず現れる、いわばリーガンの「自我」です。その姿は彼にしか見えません。その声もリーガンにしか聞こえません。Birdmanは、リーガンのハリウッドにおける功績を称え、再び映画の世界に連れ戻そうします。

「今日の表現」でご紹介するのはその時、Birdmanが言うセリフです。

You paved the way for all those other little clowns. (お前が切り開いた道を三流ヒーローどもが歩いている)

paveは「舗装する」の意味。pave the way for〜は「〜の道を開く/築く、〜の地固めをする、〜の下地を作る」を意味するイディオムです。

“all those other little clowns”(取るに足らない道化ども)は、「バードマン」の亜流ヒーローのことだと考えられます。「リーガン、お前こそがオリジナルだ。もう一度ハリウッドでカムバックしよう」というBirdmanの気持ちが込められています。その呼びかけにリーガンの心は揺れます。

今回の場面は、この映画における第三幕の始まりです。ハリウッドに戻って映画スターとしてのキャリアを再開すべきだという内なる声を振り切り、リーガンがブロードウェイの舞台にすべてを投じると心に決めるターニングポイントです。この後リーガンが舞台で取る極端な行動は、Birdmanという「仮面」を振り払うためだったのでしょうか?

みなさんはどのようにご覧になりましたか?

bottom of page