前回の続きです。公園で似顔絵を売るマーガレットがウォルターと出会う場面です。
-------------------------------------------- ★今日の表現:Out of the picture. (無関係よ) --------------------------------------------
似顔絵の値段を聞かれたマーガレットは答えます。
Today's special, two dollars. (今日はサービス価格で2ドルです)
客は1ドルに値切ります。
I'll give you one. (1ドル払おう)
All right. (いいわ)
一瞬の間があってマーガレットは応じますが、複雑な表情をたたえています。苦い思いをこらえて、できるだけ笑顔で振る舞おうと努めていることがわかります。
それにしても、この時、主演のエイミー・アダムスは本当にいい演技をしていますね。
将来への不安を抱えたまま自分は夫の元を去ってきた。知らない土地で何とか職を見つけることができた。娘と慎ましく生活できる現在の境遇に、これ以上の何を求めるというのか? 好きで描いた絵を気に入ってもらえたらそれでいい。今の自分は似顔絵の料金を値踏みされたとしても"All right"と受け入れるしかない。そんなマーガレットの気持ちをアダムスは微妙な表情に込めて演じています。
その様子を見ていたウォルターが近づいてきてマーガレットに話しかけます。
You're better than spare change. You shouldn't sell yourself so cheap. (きみの絵は安物じゃない。自分をそんなに安売りすべきじゃない)
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※spare change=「小銭」。ここでは客が払った1ドルを意味します。
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マーガレットは答えます。
Well I'm just glad they liked it. (私の絵を気に入ってくれたから、いいの)
その瞬間、ウォルターはこの女性に魅かれ始めるのです。
ウォルターはそれとなくマーガレットの夫に関する話題を持ち出します。
Well, I'd better mosey along before Mr. Ulbrich comes back, socks me in the eye. (さてと、ご主人のウルブリッヒさんが来て一発殴られる前に、退散した方がよさそうだな)
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・mosey along:ゆっくりと立ち去る ・sock:殴る
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それに対してマーガレットが言うセリフが今日の表現です。
Mr. Ulbrich is out of the picture. (主人とはもう無関係なの)
out of the pictureは(〜と無関係、〜と縁を切る)の意味で、ここではマーガレットが別居していることを指します。
新しい出会いの際に、自分はフリーだとアピールしたい時、使えるかもしれませんね。
いかがでしょうか?