top of page

「時代遅れ」としておなじみの「アナクロ」。その本来の意味とは?


ブライアンさんから、4月の課題映画”Ballerina”『フェリシーと魔法のトゥーシューズ』に関する”Language Note”が届きました。キーワードは「アナクロニズム」です。ざっくりとした訳も付けました。合わせてご覧ください!

"Anachronism" is a term borrowed from the Greek language. It may be unfamiliar to you, but you probably know the related words "chronic" and "chronicle". As you can see, "chron(os)", meaning "time" in Greek, is common to the three. There are several examples of anachronism in the movie Ballerina, which is set in Paris in the late1880s.

In one scene Odette, the custodian (Do you recall the term from Hidden Figures?) who becomes a mother figure to Felicie, refers to a famous character from detective literature whose creator was English. The only problem: the first French translation of the story in which the detective debuts was not published until 1899, or possibly as late as 1903, according to French Wikipedia. Her reference to this fictional gumshoe is therefore an anachronism, or an error in chronology: the historical time is wrong.

Do you remember the name of the detective Odette mentions anachronistically?

"Anachronism"の語源はギリシャ語です(ギリシャ語からの借用語です)。ひょっとして、なじみのない言葉かもしれません。でも"chronic"(慢性の) や "chronicle"(年代記)という言葉と関連があるのではないかと、お気づきでしょう。そう、先にあげた三つの単語に含まれる"chron(os)"はギリシャ語で"time"の意味なんです。 1880年代後半のパリを舞台とした映画”Ballerina”『フェリシーと魔法のトゥーシューズ』にはanachronismの例がいくつかあります。 そのひとつは、フェリシーにとって母親のような存在となるオデットが英国推理小説の有名なキャラクター名を口にする場面です(ちなみに彼女の仕事は" custodian "→『ドリーム』で学んだ単語ですよ。覚えていますか?)。 問題は、その探偵が初登場する小説のフランス語翻訳は(フランス版ウィキピディアによれば)1899年か、おそらくは1903年まで出版されていないということなんです。というわけでオデットが言及する架空の探偵は映画の時代設定とそぐわない(anachronism)、あるいは年代:時代考証(chronology)の誤りということになります。 オデットがふれる(当時のフランスではまだ知られていないはずの)探偵名が何だったか、みなさん覚えていますか?

bottom of page