【今回の場面について】
モーツァルトの『魔笛』の台本を手掛けたことでも知られ、劇場支配人/俳優にして台本作家でもあるシーカネーダー(Emanuel Schikaneder, 1751.9.1 - 1812. 9.21)がモーツァルトの家を訪れます。
彼は依頼していた大衆向けオペラの作曲の進行具合を確認するために来たのですが、モーツァルトはレクイエム(死者のためのミサ)に取り組んでいました。
お金のために引き受けたレクイエム作曲ですが、モーツァルトはやる気が出ません。その仕事によって確執のあった亡き父を思い出さずにはいられなくなり、精神的に追い込まれていく…というのが今回の場面です(^-^)
【事実と脚色について】
未完成に終わったモーツァルトの『レクイエム』は、見知らぬ男から1791年に依頼された仕事でした。この場面はその史実を基にしています。男の正体はサリエリだったという脚色を加えることによって、ミステリーとしても楽しめる作品になっているんですね~。『アマデウス』すごい!
【英語について】
全体的に基本的な文法ではありますが、"It's no use "、"make sense"、"leave something/someone alone"などのイディオム、"The+比較級,The+比較級"の構文など日常会話で活かせる表現を多く含むためとても勉強になります!
【翻訳しづらいセリフ】
"It's killing me"をあなたは何と訳しますか?
『レクイエム』の作曲はよりお金になる。だからそっちを先に仕上げて欲しい。お願いする妻コンスタンツェに対してモーツァルトがいうセリフです。
通常は「耐えられない」「気が狂いそうだ」「大変」「すごく痛い」を意味するイディオムですが、この場面ではどうでしょうか?
今回のスクリプトには含まれていませんが"It's killing me"に続くコンスタンツェの応えは"You're drunk, aren't you"(あなた、酔ってるのね)です。
ちなみにDVDの字幕では「死神だ」となっています。
講師Brianさんの解説をヒントに考えてみてはいかがでしょうか?
<Brianさんの解説>
I think the effort, psychologically, spiritually, physically as well, is destroying him, destroying his health, since it's a mass for his father, and he's had a tortured relationship with his parent.
穴埋め問題リスニングに挑戦したあとで、対訳付スクリプトもチェックしてみてください!
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