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ホントはこんなセリフ


「バッジをよこせ」 「これを使って痔(ぢ)の治療でもしたら」 「どういうことだ」 「ケツの穴にでも突っ込むんですね」


「ダーティ・ハリー3」(原題:The Enforcer)で主人公ハリー・キャラハン刑事がマッケイ指揮官とやり合う場面、吹替え版のセリフです。ハリーの声優は「ルパン三世」でおなじみの故・山田康雄さん。


字幕版はまったく別の訳になっています。

「バッジを」 「あとで泣くなよ」 「何だと」 「勝手にしやがれ」


でもオリジナル英語はこんなセリフです。

Give me your star. Here's a seven point suppository, Captain. What did you say? I said stick it in your ass.


直訳すると…

「警官バッジを渡せ」 「星形七角形の座薬だ、どうぞ指揮官。」 「何だと」 「そいつをあんたのケツに突っ込めってことですよ」


starは警官バッジのエンブレムが星形であることを意味します。星形エンブレムには7つの先端があることからハリーはseven pointと表現しています。suppositoryは座薬です。つまり警官バッジをエンブレム付きの座薬だと言っているわけです。体制や権威に立ち向かうハリーの反骨精神がうかがえますね〜。


“I said stick it in your ass.”というセリフには「警官バッジなんて権威の象徴に過ぎない。そんなモノはあんたのケツに突っ込めってことさ! そんなモノがなくてもオレは自分のやり方で犯人を見つけてみせるぜ」という気持ちが込められています。


この場面は皮肉とブラックユーモアと独自の正義感を持つはみだし者の刑事、それ故に一筋縄ではいかないダーティ・ハリーというキャラクターをよく表しています。アクションだけでなく会話劇も「ダーティ・ハリー」のおもしろさのひとつでしょう。


「ダーティ・ハリー」で英語筋トレはいかがでしょうか? 字幕で表現しにくい決めゼリフを色々発見できますよ。


↓動画はこちら(58秒を経過したあたりから)。 ハリーのセリフの後、周りにいる同僚の「ハリーの奴、また、言っちゃったよ~」 という表情に注目!

Dirty Harry-The Enforcer : Seven point suppository scene


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