ホントはこんなセリフ。『トイ・ストーリー3』の字幕「使い物になるぞ」
- Cinema English
- 6月1日
- 読了時間: 4分

"a keeper"ってどういう意味?
熊のぬいぐるみロッツォ・ハグベアがバズ・ライトイヤーをこう評価します。
「使い物になるぞ」
この字幕からどんな英語を想像しますか?
"He'll be handy."? "He'll be helpful."? "It’ll be useful."?
ロッツォのセリフではこう言っています。
I’d say we found ourselves a keeper.
"a keeper"とはどういう意味でしょうか?
「ゴール・キーパー」「管理人」「守衛」「(記録などの)保持者」などもありますが、ここでは「キープする"価値のある人材や物」を意味しています。ロッツォたちにとってバズは「逸材」であり「掘り出し物」「お宝」、つまり「使えるヤツ」なのでしょう。
"We found ourselves a keeper."の"ourselves"はどういう意味?
このourselvesは再帰代名詞で「我々自身に」という意味です。
この文は英文法でいう「第四文型(SVOO:Subject Verb Object Object)」の構成になっています。
We found ourselves a keeper. 「我々は逸材を(我々自身に)見つけたぞ」
え? 「我々自身に」という意味だったらwe found us a keeper. じゃないの?
ここでの主語は「我々」(We)、目的語も「我々」(ourselves)です。このように第四文型で「主語=目的語」になっている場合、目的語は目的格の代名詞(us)ではなく「再帰代名詞」(ourselves)を使います。
文法の話になるとややこしいですね。ourselvesがなくても意味が通るのに…
We found a keeper. 「我々は逸材を見つけた」
これだとニュアンスが少し異なります。誰にでも起こる一般的な出来事のようです。
We found ourselves a keeper.には、「我々にとって」価値のある逸材を見つけたという「特別」な感じがあります。
日本語吹替版では「我々と一緒にうまくやっていけるぞ」となっていて、ourselvesのニュアンスが込められていますね。
字幕「使い物になるぞ」には、ロッツォがバズを利用してやろうという腹黒い魂胆が簡潔に表現されていて、さすがだなぁと思います。
動画を観ながらロッツォの言うセリフ”I’d say we found ourselves a keeper.”のニュアンスを感じ取ってください!
「キープしたい」「とっておきの」「理想の」「大切な」人/物を意味する"keeper"の使い方
keeperの使い方についてエリオットさんに例をあげてもらいました。
This toy is a keeper. / These chairs are some keepers.
I have a keeper. / You have a keeper. / He has a keeper.
We’ve got a keeper. / She’s got a keeper.
I think I found a keeper. / I think they found a keeper.
I’ve found myself a keeper. / They’ve found themselves a keeper.
「キープしたい」「とっておきの」「理想の」「大切な」人/物を伝えたい時に使えますね。
会話例を2つ紹介します。役になり切って何度も読んでみてください。
He’s a keeper. 彼のこと逃しちゃダメだよ
A: Your new boyfriend is REALLY nice. Where’d you meet him? (あなたの新しい彼、本当に素敵。どこで知り合ったの?)
B: I was going to work one day, and he opened the door for me. (ある日仕事に行こうとしたら、彼がドアを開けてくれたの)
A: Really? (へえ、そうなの?)
B: Yeah, we work in the same building, and we got there at the same time. (ええ、同じビルで働いていて、同じ時間に着いたの)
A: Does he do that when you get in and out of the car too?(車の乗り降りのときもそうするの?)
B: He does. And, get this, he cooks too.(そう。それに、彼は料理もするんだよ)
A: Come on.(おいおい)
B: No, really, he does.(いや、本当だって)
A: Oh, my gosh. He’s a keeper.(すごいね。彼のこと逃しちゃダメだよ)
B: I know.(わかってる)
I think we found ourselves a keeper. 理想の物件を見つけたと思う
A: Joe …(ジョー…)
B: Yeah? (何だい?)
A: I think you should come see this.(ちょっと来てみて)
B: Where are you, honey?(どこにいるの?)
A: I’m upstairs.(2階よ)
B: What is it?(どうした?)
A: Look at this view.(この景色見てよ)
B: Oh my god. It’s incredible!(すごい。素晴らしい眺めだ!)
A: I know we said we weren’t looking for a house with more than two bedrooms, but, at this price, and with this view, I think we found ourselves a keeper. (寝室が2つ以上ある家は探さないって言ったけど、この値段で、この眺めなら、理想の物件を見つけたと思う)
B: You can say that again.(まったくその通りだね)
A: Let’s go put an offer on it right now.(さあ、今すぐ申し込みましょう)
B: Okay. Let’s.(わかったそうしよう)
あなたが人生で大切にしている/していた、人や物についてkeeperを使って英語で話してみましょう!

Comments